よくあるご質問
2色式の放射温度計を使うと、面倒な放射率補正が不要と聞きましたが。
残念ながら2色式は万能ではありません。長所と短所を簡単にまとめると次のようになります。
- 【長所】
- ・被測定物の表面状態が変化する場合、例えば、酸化した鉄、カーボン等、2つの検出波長での放射率がほぼ等しい場合、放射率の設定が不要。
- ・温度計と被測定物の間に粉塵や障害物が不定期に入ってしまう場合にも、大きな影響なく測定が可能。
- ※但し、程度次第ではこれらの障害にも影響を受けます。
- 【短所】
- ・狭い波長帯からのエネルギーを温度に変換している関係で、低温域を精度良く測定するのは困難。
- ・被測定物の材質によっては、例えば表面がピカピカに光っている材質の場合には、単色式と同じように測定が困難。
放射温度計で測定が困難な物質とは、具体的にどんな物でしょうか?
放射率が非常に低い物やガス体などです。
前者は表面がピカピカに光っている物で、このような物質は放射率が0.1以下と推測されますので、自身が温度に応じて持っている赤外エネルギーの10%しか放射せずに90%を反射していることになります。
こんな物質を放射温度計で測定した場合、入ってくる赤外エネルギーの90%は周りからの反射ですから、単なるアンプ回路である放射率補正ダイヤルを0.1に調整しても90%のノイズまで増幅してしまい精度の良い測定は出来ません。(実際には、何の温度を測定しているのかわかりません)
後者の場合は、温度に応じて赤外エネルギーを放射はしているもののその密度が非常に低い為、たとえガス体のピーク波長に温度計の検出波長帯を合わせてもS/N比があまりにも悪くてやはり精度の良い測定は出来ません。
更に、ガス体の場合にはその成分のちょっとした違いや変化でも赤外放射のピーク波長が変わる場合がありますので、尚更測定は困難となります。
一方、透明な樹脂フィルムの場合はたとえ非常に薄い厚さのものでもピーク波長は一定 ですから、その波長に検出帯を合わせることで精度の良い測定は可能です。
リレーレンズ式炉内監視装置において、最高で何℃までの炉内に挿入した実績がありますか?
ガラス溶解炉に挿入した例で、雰囲気温度は1500℃でした。
この場合は水冷とエアーパージを併用しています。ちなみに、エアーパージだけでしたら1200℃が最高耐熱温度です。
いくらリレーレンズ先端部を保護する為とは言え、炉内に多量のエアーを入れることは好ましくないのですが。
炉内の雰囲気がガスや酸素などであれば、炉内と同じものをパージしていただければ雰囲気を多量のエアーで乱したり冷やし過ぎたりすることなく、先端部を高温から保護し窓をクリーンに保つことが可能となります。
全くのパージなしでは、炉内状況にもよりますが先端部窓が汚れてしまって鮮明な画像を得られなくなります。
どうしても炉内にリレーレンズを挿入することが出来ないのですが、窓経由で熱画像を得ることは不可能ですか?一般的なサーモグラフィーでは特殊な窓材を要求され、断念した経緯があります。
リレーレンズを使わない近赤外CCDカメラ式炉内温度監視装置をお使いいただければ、石英もしくは一般的なガラス製の窓材経由での熱画像が可能となります。
これは、石英やガラスが透過する波長域に感度のあるカメラを使用している為ですが、逆にその波長の関係で700℃以下の低温域は測定出来ませんのでご注意下さい。
炉の操業中にエアーが止まったことに気付かず、リレーレンズ先端部を焼損してしまった場合、リレーレンズ関係をすべて交換しなければならないのでしょうか?
ご安心下さい。焼損した先端部のアセンブリーだけを交換することで復帰が可能です。
そんな場合に備えて予備部品をお持ち下さい。交換は、焼損の程度にもよりますがお客様にて可能です。
リレーレンズ水冷管に流す水は、一般的な工業用水でも可能ですか?
- 水冷管内部は流路が狭くなっていますので、出来るだけきれいな水をお使い下さい。
やはり、上水もしくはフィルターでゴミや油分を除去した中水が必須です。尚、水の温度は35℃以下を流して下さい。
室温や人間の体温近辺のセンサを検査したいのですが、適した標準はありますか?
視野角の大きいセンサでしたら、平面黒体が最適です。-5℃~100℃までの温度範囲を設定することが出来、放射面のサイズもご希望で製作します。
放射率が0.94~0.97とあまり高くはないので、厳密な校正用途でしたら「液体循環式黒体炉」をお使い下さい。これは0.99以上の放射率を持っています。
更に、(独)産業技術総合研究所殿(旧:計量研究所)にて不確かさの評価を行なってもらっての納入も可能です。
平面黒体を使用して赤外センサの評価を行なっていますが、黒体正面にセンサを設置してデータを採取していると測定値がドリフトしているような感じです。
- 恐らく、黒体面からの赤外放射にセンサ自体の温度が影響を受けていると思われます。
又、アンプ回路も組込まれたセンサですと、自身が発熱していてその赤外放射が平面黒体の放射面で反射してセンサに入っていることも想定されます。
この場合、「センサホルダ」をお使いいただく事でセンサ自身の温度を任意かつ一定に保ち、精度と安定性に優れた実験が可能となります。
「センサホルダ」についてはお問合せ下さい。
放射温度計と放射計の違いは何でしょうか?
放射温度計とは、離れた場所からでも非接触で温度を測定出来る計測器であり、一方、放射計とはそれが置かれた場所における受熱エネルギー量を計測するものです。
前者は主として工業分野において回転体や移動物体、高温物体の温度を非接触で安全かつ安定に測定する目的で使用され、後者はストーブの評価(何m離れた場所にはどれ位の熱量が届いているか)や火災実験時の熱量測定に使用されています。
黒体炉を購入したいのですが、他部署でも使いたいとの希望があります。決まった部屋に設置してしまわず、手軽に持ち運べる黒体炉はありませんか?
ポータブル黒体炉をお使い下さい。重量が6kgと軽く、手軽に移動可能です。
温度も100~1000℃と汎用的に使えます。
あらゆる場所に多数設置した放射温度計を、いちいち取外さずにチェック、校正したい場合、片手で手軽に持てる黒体の校正源はありますか?
ポータブル型と異なって、放射部分と制御部分が別になったものがあります。
放射部分には取っ手も付いており、手で持って放射温度計に向けることも可能です。
ご希望に合わせての設計、製作も行なっておりますから、ご相談下さい。